仕上げに毛先を巻いてくれませんか?

2018年5月13日

Ribelt店長コラム 1

「仕上げに毛先を巻いてくれませんか?」
そう言うとおもむろにポーチから鏡を取りだしメイクをチェックし始めた。これから何処かに出かけるのであろうか。仕上げに髪を巻いて欲しいという要望を断る理由はない。お客様の喜ぶ顔が見たいし、髪を綺麗に仕上げるのは仕事だ。予約にはないサービスだが多少時間が押してもそれほど問題はない。

よくあるサロン風景だ。しかし1つ問題がある。それは髪を巻くサービスをすることで時間が押してしまい、次の予約に影響がでてしまうことではない。仕上げに髪を巻くというサービス自体にある。ただブローをして髪を仕上げるのではなく、毛先にアイロン操作をしてより完成度の高い仕上げにする。この部分である。多くの美容師はこの作業をサービスで行っているであろう。つまり無料だ。しかし結婚式や同窓会などのパーティーに参加する為の髪のセットを無料で行うサロンはない。むしろそのちょっとした髪のセットを売り物にしている美容室も最近エキナカなどに増えてきている。

ちょっとした髪のセットを果たして無料で行うべきなのか?当然、賛否両論あるだろう。それは美容師側もお客様側も同じだ。髪のセット専門店ならば有料だが、カットやカラーを行う店ならば仕上げに髪を巻く位はサービスで行っているのが現状だ。そこに追加料金が発生する店もまれにあるが、サービスをすることでお客様を良い気分で帰したいという気持ちが美容師側にもある。その後SNSや友達への口コミにも繋がるかもしれない。無料だが気持ちの良いサービスをする事で美容師側にもメリットがあるのである。

話は変わるが、先日とある焼き鳥屋に行った時のこと。その店は他の店よりも多少敷居が高い。値段もはるが料理をまとめて注文をしても、こちらの進み具合をみて料理を提供してくれるサービスの良い店だ。このような見えない気配りが自然に居心地の良さを生み、ついつい飲みすぎてしまう。私は明日も早起きなので、少し酔いを冷ます為に水を注文することにした。すると、目の前に見慣れないビンが唐突に置かれる。そう、先ほど注文した水である。実はこの店、水が有料なのだ。水を注文しただけで、有料の水を出す店はそう多くない。飲食店ではそのような雑費は、おしぼりやお通しなどと一緒にサービス料として清算されると聞いた。私は有料の水を出される事をメニューを見なくても予め知っていたので問題は無かった。
しかし、その店の口コミをみると水が有料なんて信じられないという書き込みがあった。提供する店側も水が注文されるたび、有料であることの声掛けを徹底していれば避ける事ができた事案だ。忙しかったり会話の流れで説明がおろそかになったのだろう。居心地の良いサービスも会計が水増しされたと思ったお客が怒ってしまうのも無理はない。

同様な事案は美容室でも起こり得る。いつも通っている店で、シャンプー後にトリートメントをしませんか?と声を掛けられ了承したら、会計が割増しになっていたりする話を聞いたことがある。いつもと違う特別なトリートメントだったのだ。シャンプーの後トリートメントをするのが当たり前になった今、それが有料なのか無料なのか分かりにくい。チェーン店ではアシスタントが売り上げを出す為にシャンプーの購入や有料のトリートメントを勧めてくる。お客様の髪の為を思ったら無料のトリートメントより有料の方が効果が満足感をえられるだろう。しかし、そこが無料なのか有料なのかは説明するべきである。

実は始めの髪を巻く場面には、続きがある。美容師がアイロンでお客様の髪をほとんど巻き終わった時、女性が一言いったのだった。以前通っていた美容室では髪を小分けに留めて巻いてくれていたのに…。

お客様が望んだとおりの技術では、店は繁盛しない。お客様に感動を与えるからこそリピートや口コミに繋がる。しかし過剰すぎるサービスはかえって身を亡ぼす。サービスという単語からは有料より無料という印象を多くの人が受けるだろう。だがサービスを有料で提供するのがサービス業なのだ。そのサービスの価値を高める事で対価は得られるのだろうと思う。

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