MY FORCE(マイフォース) 成分・使用感【レブリン酸】ミルボン

2019年3月29日

ミルボンマイフォースは植物由来のレブリン酸によって、ヘアカラーやブリーチをした際のダメージを抑える内部補修トリートメントです。髪の毛内部のタンパク質の流出を防ぎ、ヘアカラーやブリーチを繰り返しても髪の強度を保つ事が出来ます。髪が痛んでからケアをするのではなく、髪を痛ませないという発想のトリートメントで、髪の毛本来の強さと美しさを守るミルボンマイフォースの成分や使用感をご紹介します。

マイフォース ラインナップ・成分表

ミルボンマイフォースは髪のタンパク質の流出を抑える1剤と、髪の水分を保持する2剤の2ステップのラインナップです。カラーやブリーチだけでなく、ストレートパーマの施術にも効果があります。マイフォースを施術の前後それぞれで行う事によって、髪の毛内部のダメージを抑制する事が出来ます。

・マイフォース1剤「アシッドディフェンドNo1」…髪の毛のタンパク質の流出を防ぎ、ダメージホールの発生を抑える。
・マイフォース2剤「アシッドディフェンドNo2」…髪のキューティクルを整え、潤いと厚み感を与える。

レブリン酸

植物を元に化学合成して得られる有機酸で、マイフォースの特徴的成分です。ケミカル施術(ヘアカラー・ブリーチ・ストレートパーマ)の過剰な酸化を事前に抑える事が出来ます。

薬剤の減力が少ないので、ヘアカラーやブリーチの明度ダウンへの影響がほとんどありません。繰り返しブリーチをしても髪の強度を保ち、毛先がフニャフニャになりません。毛髪内部のタンパク質の流出を防ぎ、ブリーチ後の絡みやパサつきを軽減します。

【ダメージを抑える仕組み】
カラーやブリーチ剤に含まれるアルカリ剤がヒドロキシイオンを放出します。ヘアカラー2剤の過酸化水素とヒドロキシイオンが反応すると髪のタンパク質を破壊してしまいます。

アルカリ剤に含まれるヒドロキシイオンをレブリン酸の持つ水素イオンで打ち消し合う事で水を生成し、髪のタンパク質を破壊する事がほとんどなくなりました。

※3月29日追記

最近のミルボン社の研究によって髪の毛先部分に効果が及んでいない事が判明しました。原因として毛先部分は髪が断面になっている為です。髪の多くの部分はキューティクルに覆われていますが、カットや切れ毛などで髪を切断すると必ず断面部分が出来てしまします。この断面にはレブリン酸の効果が及ばないそうです。

今までもカラーの染料の流出やトリートメントでも髪の断面から成分が流出してしまう事は知られていました。現在はこの断面部分にも効果が及ぶように鋭意開発中との情報です。

マイフォース アシッドディフェンドNo1

ヘアカラーやブリーチ、ストレートパーマ液を使う前に行う前処理のトリートメントです。ケミカル施術(ヘアカラー・ブリーチ・ストレートパーマ)による髪の過剰酸化から保護する効果があります。ヘアカラーやブリーチを行う場合は髪がドライの状態で使用します。一方、ストレートパーマを行う際は髪がウエットの状態から使用します。目的の施術によって髪の状態が違うので注意しましょう。

ヘアカラー・ブリーチ施術…髪が乾いている状態で塗布
ストレートパーマ…髪が濡れている状態で塗布
※ハード系のスタイリング剤を使用している場合は事前にシャンプーを行いましょう。

【使用料】水で7倍に希釈する(アッシドディフェンドNo1:水=1:6)
ショート…3ml(3プッシュ):水18ml
ミディアム…4ml(4プッシュ):水24ml
ロング…5ml(5プッシュ):水30ml

【成分表】
水・レブリン酸・アルギニン・ポリソルベート20・フェノキシエタノール・香料

注意目や喉に入る恐れがある為アプリケーター(スポイト)を使用する。
スプレーヤーは使用しない事。
薬剤に接触すると発熱する恐れがあります。ヘアカラー剤・ブリーチ剤・パーマ剤とは混ぜない事。

マイフォース アッシッドディフェンドNo2

ヘアカラーやブリーチ、ストレートパーマを行なった後に使用する事後処理のトリートメントです。ヘアカラーで使用する際はカラーを洗い流した直後(シャンプーの前)に塗布します。ストレートパーマの場合は2剤のお流しの直後(ヘアトリートメントの前)に塗布します。水分をしっかり切った状態で、髪の中間から毛先にかけて揉み込むように塗布をします。放置時間は必要ありません。

【使用量】薄めずに塗布する
ショート…9g(3プッシュ)
ミディアム…12g(4プッシュ)
ロング…15g(5プッシュ)

【成分表】
水・セタノール・グリセリン・ステアリルアルコール・ステアルトリモニウムクロリド・オクチルドデカノール・レブリン酸・イソノナン酸イソトリデシル・PEG -20・トレハロース・ヒアルロン酸Na・ピリドキシンHCI・アジピン酸ジイソプロピル・イソステアリン酸イソステアリル・スクワラン・ワセリン・PEG -14M・ヒドロキシエチルセルロース・ヒドロキシプロピルデンプンリン酸・クオタニウム -33・セトリモニウムクロリド・ベヘントリモニウムクロリド -BG・イソプロバノール・フェノキシエタノール・メチルイソチアゾリノン・メチルクロロイソチアゾリノン・香料

注意コスメ系(化粧品分類)ストレート剤に多い臭素酸塩系の2剤と混ぜると有毒なガスが発生します。
お流しの際は2剤をしっかり洗い流してから塗布をしましょう。

マイフォース プロセス・使用感

ここからはマイフォースを実際に使用した様子をご紹介します。マイフォースは内部補修がメインのトリートメントですが、仕上がりの手触りも少し良くなります。これはマイフォースNo2によるものですが、シャンプー直後の手触りが良くなっているように感じられます。

ヘアカラー・ブリーチ プロセス

1:髪が乾いている状態から、水で7倍に希釈したマイフォースNo1を髪全体に塗布

2:ヘアカラー又はブリーチを行う

3:必要であれば乳化を行い、ヘアカラー又はブリーチを流す

4:水分をしっかり切りマイフォースNo2を髪の中間から毛先に揉み込むように塗布

5:地肌に残らないように軽めに洗い流す

6:シャンプー&トリートメントを行う

7:フィニッシュ

ストレートパーマ プロセス

1:事前シャンプーを行う

2:髪が濡れている状態から、水で7倍に希釈したマイフォースNo1を塗布

3:ストレートパーマを行う

4:お流し

5:水分をしっかり切り、マイフォースNo2を髪の中間から毛先に塗布

6:滑りがなくなるまでしっかり洗い流す

7:トリートメントを行う

8:フィニッシュ

マイフォースを使用してみた

ここからはマイフォースをRibeltで実際に使用した様子をご紹介して行きます。今回はマイフォースを使用しヘアカラーを行って行きます。

まずは始めの状態です。
新成分4㎝、既染部30㎝(中間部9レベル、毛先13レベル)
およそ3ヶ月前にカラーをし、そのまま伸びた状態です。

スタイリング剤は付いていないのでこのままシャンプーブースでマイフォースNo1を塗布して行きます。

髪が乾いている状態から全体に塗布して行きます。
今回はミディアムレングスのモデルさんでしたので、マイフォースNo1を4ml、水を24mlをアプリケーターで塗布していきます。

レブリン酸と思われる独特な臭いがします。スプレーヤーで塗布するとむせてしまいそうです。目や喉に入ると危険だという事ですので、アプリケーター推奨です。

レブリン酸を塗布し終えたら軽くタオルで水が垂れない様に拭き取って、髪が濡れたままヘアカラーを塗布します。
(※カラー塗布済の写真は他のモデルさんの物を流用しています。)

自然放置後、乳化しカラーを洗い流します。

シャンプーを行う前にマイフォースNo2を塗布します。ミディアムは12g、髪の中間から毛先にかけてしっかり揉み込む様に塗布して行きます。この際再びレブリン酸独特の臭いがしますが、仕上がりには残りませんでした。

揉み込んでいくと髪の質感の変化を感じられます。皆さんが毎日使用している様に、髪から潤いと厚み感を感じられるまで揉み込んだらOKです。放置はなしでしっかり洗い流します。この後はいつも通りシャンプー&トリートメントを行い、仕上げます。

シャンプー後はいつもより髪の手触りが良く感じられました。マイフォースNo2の効果でしょうか?

仕上がりは見ての通り、バッチリキレイに染まりました。若干ですが、希望の明度よりも低く感じます。0、5か1明度弱ですが暗い仕上がりです。施術の際はこの事を計算しておくと希望通りの明度にコントロール出来ます。

仕上がりの明度に影響が少ない事もレブリン酸の魅力の一つです。

別のモデルさんでも試して見ました。マイフォースはこの様なハイトーンなカラーをされているお客様に本当にオススメです。髪のタンパク質の流出はダメージだけでなくヘアカラーの持ちにも影響します。

毛先の切れ毛や枝毛も起こりにくくなるので、髪をキレイに伸ばしたい人にも試していただきたいです。

1回だけではわかりにくいかもしれませんが、毎回繰り返す事で髪の強度が保持されダメージを感じにくい髪になって行きます。

まとめと所感

私が美容に携わってから20年近くになりますが、カラーやパーマの際の事前処理・事後処理のは昔からほとんど変化がないジャンルでした。今までは事前処理には髪の内部成分(ケラチンやコラーゲンPPT)を使用するのが当たり前でしたが、そういった意味ではマイフォースのレブリン酸は過去の常識を打ち破った全く新しい商材と言えるでしょう。

髪の内部成分を足すのではなく流出を抑えるという発想が今後常識となっていけば、自分の素髪に近い状態を保つことができます。カラーやパーマをしても髪が痛まないので、無駄なトリートメントも不要になり、髪の手入れも楽で簡単になるでしょう。今までより気軽にヘアカラーやパーマを楽しめるようになります。

しかし実際は髪のダメージはカラーやパーマだけにはとどまりません。現在髪のダメージで最も悩ましいのが熱による髪のダメージです。ヘアカタログを見ても女性だけでなく男性もヘアアイロンを使ったヘアセットが当たり前になっています。市販のアイロンも日本人の髪に合わない180度を超える製品が流通し髪に深刻な問題を与えています。

現在も髪の熱ダメージ対策のトリートメントは登場していますが、一般的に髪の熱ダメージの認識が薄く、また商品も熱ダメージを完璧に抑えることができません。

とはいえマイフォースの登場によりケミカル髪のダメージに対する意識は徐々に変化してゆくでしょう。今はまだ使い始めたばかりですが、ヘアカラーやパーマを繰り返す際にマイフォースを毎回使用していけば、髪質改善になることは間違いないでしょう。髪を痛ませない新しい考え方の施術によって髪の悩みだった枝毛や切れ毛が減り、美容室で行うカラーの価値が高まっていく未来を期待します。

最後までご覧いただきましてありがとうございます。

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