美容師によるエドルカラー 使用感レポート・解説・特徴・成分【Lebel・edol】

2019年3月26日

ルベルから登場したエドルカラーの使用感や特徴を美容師目線でレポートします。インスタでは見えないエドルカラーのあれこれや、人気のイルミナカラーより優れている点を出来るだけわかりやすく、ほどほど専門的にご紹介します。エドルカラーを理解した上で、その魅力を体感していただけると嬉しいです。

エドルカラー 特徴

エドルカラーがその他のカラー剤と圧倒的に異なる点は、髪の赤味を消す事です。えっ?それってイルミナカラーやスローカラー(他社の現行品人気カラー)でも同じでしょ?いいえ、エドルカラーは違います。今までのカラーはカラーの色素で髪の赤味を抑えてきました。エドルカラーは髪の赤味そのものを消すカラー剤なのです。

髪の赤味を消すシナジーオイル処方

日本人の地毛の髪色はあえて書くまでもありませんが「黒」です。この「黒」の色を作っているのが髪に含まれているメラニン色素です。ですからメラニン色素が作られなくなった場合、髪の毛は白髪になってしまいます。

ヘアカラーをより鮮やかに染める為には、メラニン色素を脱染しカラーの染料を髪の内部に浸透させなければなりません。いわゆるブリーチ(脱染)をする事を指します。ヘアカラーは髪の色素を脱染しながら髪に色素入れることを同時に行っています。

メラニン色素は更に2つに分ける事が出来ます。

ユーメラニン・・・黒〜褐色を担うメラニン色素
フェオメラニン・・赤〜黄色を担うメラニン色素

従来のカラーやイルミナカラーはこの2つのメラニン色素を強く脱染し、より多くの染料を入れる事で外国人風のカラーや透明感のある発色を実現しています。

 

しかしエドルカラーは髪の赤味を担うフェオメラニンに注目し、従来のカラーよりもフェオメラニンを強く漂白するシナジーオイル処方を発明しました。これによって他のカラー剤よりも日本人に特に多く含まれるフェオメラニンを漂白する事に成功、無駄な脱染をすることなく髪を鮮やかに染めることが出来ます。

このフェオメラニンを他のカラー剤よりも圧倒的に漂白できる事こそがエドルカラーの最大の特徴であり、この効果によって他のカラーよりも高いアドバンテージを得る事が出来るのです。

高染色の秘密

ここからは少しだけ専門的な内容になります。

ヘアカラーをした際、カラーの色素は髪のコルテックスという部分で発色する事で髪が染まります。エドルカラーでは染料の浸透効果をより高めることで、高い染毛力と色持ちのアップ効果を実現しています。

髪の構造(海苔巻きで例えた場合)

・海苔部分・・キューティクル(髪の毛の表面の皮)
・ご飯部分・・コルテックス(髪の内部を作っている部分)
・具の部分・・メデュラ(芯の部分、無い人もいる)

コルテックスにはCMC(細胞間脂質)という部分があり、油相のβ(ベータ)層と親水相のδ(デルタ)層が存在します。エドルカラーでは髪の芯に近いCMCのβ層まで染料を運ぶ事によって、高い染毛力を実現しています。

 

更にカラーの成分(ブーストオイル成分)がCMCのβ層とδ層の界面に規則正しく並ぶことで、髪に油分を補給しながらカラーの染料の定着領域をしっかり補強し、色持ちをアップさせているのです。

【ブーストオイル成分】
POEステアリルエーテルリン酸(乳化際)
ベンジルアルコール(基剤)
ミリスチルアルコール(粘度調整剤)

低ダメージ&ツヤ感アップの秘密

従来のカラーでは前述の通り鮮やかな発色を実現する為、高いアルカリ剤を使ってメラニン色素を分解しなければなりませんでした。しかしエドルカラーでは効率よく髪の赤味を担うフェオメラニンを漂白する事が出来るので、高いアルカリ剤は不要です。

これによって髪にアルカリ剤が残る事が少なく、低ダメージ・低PHで髪を染める事が出来ます。

残留アルカリによる髪の継続ダメージ

ヘアカラーをすると髪にアルカリ剤が残ってしまいます。これを残留アルカリといい、髪に退色や継続的なダメージの原因になってしまいます。美容室によっては残留アルカリのケアをしてくれますが、完全には取りきれません。髪は本来弱酸性ですので、弱酸性のシャンプーを使うなどの継続的なPHケアが有効です。

更に、アニオン(マイナス電化)性を持つブーストオイル成分が髪に定着し、トリートメントを吸着する土台を作ります。これによって髪のコンデジションをサポートし、より長くカラーの色味を楽しめるようになりました。

 

同社のマテリアカラーに比べて髪のツヤ感が45%アップ!!

低PHで染毛する事はいい事ずくしなのです。

エドルカラー 使ってみた

ではRibeltでエドルカラーを使ってみた様子をご紹介します。

インスタではすでにモリモリ盛られたエドルカラーの写真で溢れていますので、今回も全く持っていない状態の写真をご用意しました。使用したキャメラはiPhone XS Maxで画像は未加工です。

ご協力していただきましたモデルさんは、良い意味で癖毛で乾燥毛。どちらかといえば染まりにくい髪質です。(決して悪い意味ではありません。ご協力本当に感謝です!!)

インスタやエドルカラー公式サイト、その他サイトでは見られない本当のエドルカラーの発色をお届けします。使用したカラーはまだ秘密です。画像を見て何色系のカラーを使ったのか推測して見てください。

では、ヘアカラー前と後の画像をどうぞ!!

染毛前
染毛後

いかがでしょうか?何色を使ったかお分かりになりましたか?
正解は・・

ピンクでした。

今回は急遽撮影をしたので、赤味が強いモデルさんでは無かったのでピンクを選択しました。(エドルカラーはピンクもかなりオススメと事前に聞いていたので・・・)

近くの撮影した方がカラーの色味が強く感じられますね。

使用した明度レベルは9、今回あえて赤味を感じるカラーを使用して見ました。今後このページに追記する事があればアッシュ系の画像を載せたいと思います。その際は赤味が強いモデルさんを探してお願いします。お楽しみに。

追記2019年3月25日

アッシュとグレージュを追加します。まずはグレージュから。

上の写真
染める前 根元新生部7センチ 既染部 12Lv
使用した薬剤 9グレージュ(エドルカラー)

続いてアッシュです。

上の写真
全体 バージン毛
使用した薬剤 9アッシュ(エドルカラー)

写真からも見て取れる通りグレージュがすごい綺麗です。透明感やツヤ感が他のカラーよりも優れているように感じました。一方でアッシュは個人的には微妙。色見本で見るともう少し青味が強いように見えました。写真では伝わりにくいですが、もう少し赤味が消えると思っていました。退色過程に期待しましょう。

現時点では
ピンク 少し残念
アッシュ 普通
グレージュ 良い
まだ1ヶ月経っていないのでもう少し使って様子を見て行きたいです。今春にはミルボンアディクシーカラーの新色コバルトブルーの発売も控えており、カラー選びは悩みそうです。 

エドルカラー成分紹介

ここからは更にマニア向け?エドルカラーの配合成分をご紹介します。

ヘアカラーの1剤にはジアミンと言う成分が配合されています。こちらはアレルギーを引き起こす可能性がありますので、必ず染毛前にはパッチテストを実施しましょう。

 

エドルカラー1剤(Aー3 ASH)

【成分】有効成分:硫酸トルエン-2・5-ジアミン・レゾルシン・塩酸2・4-ジアミノフェノキシエタノール・α-ナフトール
その他成分:アンモニア水・POEステアリルエーテルリン酸・ベンジルアルコール・POEアルキル(12〜15)エーテルリン酸・POPステアリルエーテル・POEべヘニルエーテル・塩化ステアリルトリメチルアンモニウム・PEG6000・コンフリーエキス・BG・PG・塩化K・ステアリルアルコール・セトステアリルアルコール・粘度調整剤・香料・PH調整剤・L -アスコルビン酸ナトリウム・無水亜硫酸ナトリウム・BHT・ジエチレントリアミン5酢酸5Na液・グリシン・イソプロパール

エドルカラーの2剤はの過酸化水素濃度は6%と2%です。2%は主に既染部(既にカラーをした毛髪)専用に使用します。市販のカラー剤ではこの2剤の濃度調整が出来ない為、髪のダメージや退色がしやすいです。

またカラーの2剤は美容室低コスト化には欠かせない要素です。エドルカラーを最大限に活かす為には、必ずエドルカラー専用の2剤を使いましょう。低価格帯の美容室では安価な2剤を使われてしまう可能性があり、本来のエドルカラーの発色が出来ず色持ちも低下してしまいます。

エドルカラー2剤 6%
【成分】有効成分:過酸化水素
その他の成分:POEステアリルアルコールリン酸・POEセチルエーテルリン酸・POPステアリルエーテル・ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール・ステアリルアルコール・セトステアリルアルコール・PEG 1500・コンフリーエキス・濃グリセリン・BG・無水カフェイン・粘度調整剤・PH調整剤・BHT・ヒドロキシエタンジホスホン酸液・サリチル酸・ジエチレングリコールモノエチルエーテル・フェノキシエタノール

エドルカラー ラインナップ

エドルカラーは3つのラインナップ、全35色から展開されています。更に2019年9月には新色が追加される予定です。

【ベースカラーライン】16色
質感を楽しむナチュラル、スモーキーの色の質感を表現するラインです。
(ブラウン・ベージュ・グレージュ)9月にパールが追加予定

【シェードカラーライン】13色
色を楽しむラインです。ファッションやトレンドに合わせた表現が得意です。
(アッシュ・バイオレット・ピンク)9月にレッド・ホワイトアッシュが追加予定

【プライマリーカラーライン】6色
彩度を楽しむラインです。ビビットな色彩やミックスカラーとして色彩の表現を広げます。
(レッド・オレンジ・マット・アッシュ・バイオレット・ピンク)

カラー明度はベースカラー、シェードカラーは3〜15まで用意されていますが、全てのカラーが3〜15までラインナップされていません。(ブラウンは3〜11まで、ベージュは7〜13まで、グレージュは3〜15までとそれぞれ異なる)

異なる3つのラインアップを組み合わせ、カラーに補色を含まない色設計ができるカラー剤なのです。

カラーの補色とは?

足りない色味を補う事を補色と言います。
例えば黄色っぽい髪にアッシュ(青)を足すと、黄+青=緑となり、アッシュが表現出来ません。その為黄色の髪に反対色の紫を足す事で色が補われ、アッシュの色を緑にならないように表現出来ます。

補色が含まれないカラーは絵の具と同様に、自在な色素表現が出来る反面、色彩感覚が問われるともいえます。

エドルカラー 美容師目線の勝手気ままな所感

フェオメラニン(髪の赤味メラニン)を消すという新しい発想のカラー剤の誕生に、また新しいカラー剤の未来を感じます。今まで髪の赤味に悩んできた皆さんも、エドルカラーの登場により新感覚のヘアカラーを楽しめるでしょう。

 

一方で気になる部分もいくつかあります。

まず、マット(緑)がラインナップされていないこと。髪の赤の反対色となるマットはプライマリーカラー(明度のない彩度特化のラインナップ)のみです。髪の赤味を打ち消すにはマットは基本カラーですので、マットの追加を望みます。

更に、三原色でもあるイエロー(黄色)も未実装という点。確かにサロンワークではなかなか使いませんが、補色を含まないエドルカラーでは色と光の三原色でもあるイエローが無いというのはなぜでしょう?アッシュと合わせればマットも作れるのに残念です。

余談ですが、今春新色が発売されるミルボンアディクシーカラーはゴールドブラウンです。ミルボン社はゴールド(イエロー系)が来ると読んでいるのかも・・?

そしてレッド。こちらも未実装ですが9月に追加されるそうです。サロンでは以外に赤を望むお客様も根強くいらっしゃり、彩度の高い濃いめの赤はなかなか表現しにくいです。こちらは期待しています。

続いて使用感ですが、カラーの伸びが悪いように感じます。他のカラーよりも多くの塗布量が必要に感じました。材料費の増加は美容室の負担になるだけでなく、場合によってはお客様にも影響が及ぶ可能性もあります。単純に価格に上乗せされたり、低価格サロンではカラーを薄めて使用するなどの懸念も生まれます。

気がつけば問題ばかり書いてしまっていますが、これは個人的なエドルカラーへの期待の表れとも言えます。まだまだ始まったばかりのエドルカラー。Ribeltでは今後の密かに応援をして行きます。

みなさんも是非一度エドルカラーをお試し下さい。赤味が消える新感覚カラーで髪の負担も軽減ですよ!!

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