棚からボタニカル

2018年5月13日

近頃「ボタニカル」という言葉を頻繁に目にするようになりました。あたかも最近になって登場したような顔をしていますが、実はそうではありません。20年以上前からみなさんはボタニカルを知っています。20年以上前から今までずっとボタニカルを使ってきている人もいるでしょう。なぜならボタニカルは植物由来という意味で、植物由来の成分から作られたモノを指すからです。

例えばシャンプーでいうと「植物物語」という商品を聞いたことはないですか?古い商品で最近は目にしなくなってしまいましたが、20代後半ならテレビCMで目にしたこともあるかも知れません。はい、これもボタニカルシャンプーです。植物物語に限らず、現在市販されている多くのシャンプーには何かしら植物由来成分が使われているでしょう。植物由来成分=ボタニカルですので、ほとんどのシャンプーが広い意味でボタニカルシャンプーとなってしまいます。
(半信半疑の人はシャンプーの成分表示をご覧ください。◯◯エキスと書かれた文字をグーグル検索してみるときっと植物由来成分なハズです)

人の心理とは面白いもので、新しい言葉が流行するとそれが付いている商品にまで勝手に新しいというイメージが付いてきてしまいます。ボタニカルもそうですね。少し前だと水素水があります。これも昔に流行したアルカリイオン水と同じ内容です。ボタニカルのように同じ意味を持った一つの言葉が時代を超え、新しい表現を得て再登場しています。歴史や流行は繰り返すとはまさにこの事ですね。

特に美容業界は、この言葉の塗り替えに躍起です。ボタニカル以外にも最近はワックスがバームになったり、髪につけていたオイルがアウトバストリートメントになったりと散々です。最近では高価格帯のドライヤーやヘアアイロンにもそのような塗り替えネーミングが浸透しつつあります。実際はどれも遠赤外線のテラヘルツ波などを利用した遠赤外線の一種です。

新しい言葉が誕生すれば、どの表現がどの年代、どの性別のそんな嗜好の人に刺さるのか?というテーマになってきます。それが今の時代はボタニカル、20年前は植物だったのでしょう。表現多彩な日本語ゆえの流行語の模索が、これからも楽しみで仕方がありません。

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